いけばなの基本
2024.02.11
表参道駅からほど近い根津美術館は尾形光琳の国宝「杜若図屏風」で知られ、今や海外からの観光客にも大人気の東京を代表する美術館の一つです。
この度、一月二十五日より三日間にわたり広大な庭園にある茶室「弘仁亭」においてWAnocoto表参道の初釜茶会が開催され、私は書院造りの床の間に立花を装花させていただきました。
大屋根が大胆な本館 隈研吾氏の建築
竹のアプローチに 期待が高まります
回遊式庭園 石段を踏みながら下れば
遠く 青山のビルが望める静寂の庭
夏には杜若が群生する池の向こう 弘仁亭
表参道交差点からすぐとは思えぬ 別世界
路地に 待合
弘仁亭 広間の室礼
掛け軸は「一華開五葉」、茶会にご参加された皆様の今年一年のご躍進を願います。
床の間のいけばなは、辰年らしく昇龍をイメージして、との要望に立花新風体を献華いたしました。
🔹いけこみは夕方近く、仄暗い茶室に冷気と緊張が張り詰めました。
🔹初日、朝日が差し込む清々しい茶室。掛け軸に合わせたような五本のストレリチアが伸び上がりました。
🔹花器 唐金銅器「かれん」
🔹花材 ストレリチア、椿、雪柳、松、梅苔木、柘植
🔹二日目の朝、半東さんお二人が座られると立花の大きさがわかります。
🔹白椿と雪柳を加えより華やかに、寒いからか三日目もこのままでいてくれました。
百名あまりのお客様が参加された初釜茶会は、盛会に終わりました。
和やかなお席に華を添えられるのは有難いかぎり、
このような素晴らしい機会を頂き、主催関係の皆様には心より御礼申し上げます
今年一年、皆様のご躍進をお祈りいたします。
華道家元池坊
森由華