いけばなの基本
2021.02.20
お花屋さんで珍しいスイートピーが手に入ったのでこんな作品を生けてみました。
品種自体は極普通のスイートピーなのですが、株の根元から切って出荷された『本切り』のスイートピーがあったので即買ってしまいました♪
普通に売っているスイートピーと違い、茎が曲がっていたり、蔓の先が残っていたりとスイートピー元々の動きが残っている非常に生花(しょうか)にしたくなる花材でした。
植物の持つ本来の性質や美しさを出生(しゅっしょう)と言いますが、いけばなではこの出生をうまく表現する事が重要になってきます。
お花屋さんに並んだ状態から元々の出生を想像するのは難しいものですが、このスイートピーもお花屋さんで普通見かけるものとはだいぶかけ離れた感じです。
いわゆる普通のスイートピーはまっすぐの細い茎に花が数輪ついたものですが、スイートピーは『スイート』『ピー』=香りの良い豆という名前からも分かるようにマメ科の植物です。
蔓も出て来るので、真っ直ぐ立ち上がる姿は相応しくないかなという事で、この背の高い器を取り出してきました(^o^)
池坊の生花という生け方は決まりがあり、最初は覚えるが大変ではあるのですが、形に植物を当てはめるために決まりがあるわけではありません。
植物のもつ出生を最大限に活かそう!という試みが何百年と続けられて来た結果が型という形で現代に残っている、という事です。
せっかく残してくれているものですので、最大限に生かしていきたいですね。