2022.03.20
日本にはたくさんの伝統がありますが、その中の一つとして興味深いのが”伝統色”です。
今回は”日本の伝統色”にフォーカスして、その魅力や楽しみ方をご紹介致します。
伝統色とは?日本が誇る和の色彩を知る
私達の生活の中にはたくさんの色が溢れていて、普段の生活で様々な色を目にしますよね。
そんな中で、知らず知らずのうちに伝統色に触れているかもしれません。
四季のある日本では、古来より季節の移り変わりとともに自然の色の変化を楽しんだとされています。
そんな中で生まれたのが伝統色です。
日本の伝統色とは?
伝統色とは、日本に古来より伝わる色のことです。
和色とも呼ばれることがあり、原色とは少し違う色味が特徴的です。
自然豊かな日本では四季によって表情が変わり、草花や木々の色、空や山の色など様々な”色”を見せます。
たくさんの色に触れることによって日本人の色彩感覚が磨かれたという説もあり、染物の「藍色」など日本の伝統文化から生まれた色もあります。
日本人は、美しい自然やそこで育まれた文化が作る微妙な色合いを感じ取り、名前をつけました。こうして生まれたのが伝統色です。
位を表す色でもあった伝統色
飛鳥時代頃を目安に、色は位を表すものでもありました。
禁色(きんじき)という色が設定され、位が低い人は身につけてはいけない色が決められていました。
例えば聖徳太子が制定した冠位十二階では、位によって着用できる色が決められていました。
位の高い人程濃く鮮やかな色を着用することができ、華やかな装いができました。
一方で位の低い人は黒や白などの落ち着いた色しか着用できませんでした。
現代のように自分の好きな色を選んで身につけることができない時代もあったんですね。
伝統色って具体的にどんな色?
では、伝統色にはどんな色があるのでしょうか?
自然にあるものを使って繊維を染めていたこともあり、伝統色には自然に由来する名前がついたものがたくさんあります。
伝統色の例をいくつかご紹介します。
空色
その名の通り、晴れた日の空のような優しい青色です。
浅葱色(あさぎいろ)
葱(ねぎ)の葉を薄くしたような色です。
青みのある緑色です。
紅梅色(こうばいいろ)
梅の花を連想させる、薄い赤色です。
緋色(ひいろ)
茜の根で染めた色です。
火の色を連想するような色で、英語ではスカーレットとも呼ばれます。
芥子色(からしいろ)
カラシを連想させる黄と茶が混ざったような色です。
藤色(ふじいろ)
藤の花を連想させる柔らかい紫色です。
卯の花色(うのはないろ)
卯の花と呼ばれる空木(ウツギ)の花を連想させる色です。
単純な白と比べると、黄みがかった色です。
伝統色の楽しみ方
世の中にたくさんある伝統色を楽しむ方法もあります。
伝統色を意識して覚えてみる
まずは伝統色はどんな色かを知ること、そして日常の中で伝統色を探してみることからはじめてみましょう。
草花の色は伝統色になっているものが多いですし、和菓子のパッケージなどにも伝統色が使用されています。
例えば、赤色を見たときに赤の中でもどんな赤色かを意識してみると、色彩を楽しむことができますよ。
装いで取り入れる
浴衣や着物には伝統色が使用されたものがたくさんあります。
お祭りに出かけるときやお祝い事で着る着物の色に注目してみましょう。
伝統色が使用された和服は、より日本らしい粋なおしゃれになりますよ。
伝統色で遊ぶ
伝統色を使って遊ぶ方法として、伝統色の絵の具や色鉛筆で絵や文字を描くのもおすすめです。
ご自身で色を使うことで、伝統色の名前を覚えやすくなりますよ。
最近では伝統色を使ったマーカーや筆ペンなども登場しているので文房具で取り入れてみましょう。
また、折り紙などで遊んでみるのもおすすめです。
折り紙と言えば原色が定番ですが、少し珍しい伝統色の折り紙を使うことで、遊びながら伝統色を楽しむことができます。
伝統色の色彩で心を豊かに
今回は日本の伝統色についてご紹介しました。
日常の中で伝統色を少し意識してみると、色彩感覚が豊かになりますよ。