2021.02.16
生け花で使う花って特殊な花を使うの?
いえいえ、普段よく見かける身近で馴染みのある花も、生け花では普通に使いますよ。
今回は、生け花で使う花の選び方と、季節ごとのおすすめを紹介していきます。
生け花で使う花はどうやって選ぶ?
花や草木を選ぶことも生け花の楽しみの一つですが、花の選び方にルールはあるのでしょうか?
基本的に花は何を使っても大丈夫!
生け花では基本的に使用してはいけない花や草木はありません。
使いたいものを自由に生けることができます。
ただし、お客さまが来るときなど、生ける目的がある時は、飾る場所やお迎えする人のことを考えておくと◎。
例えば、食事をする場所には香りのきつい花は避ける、お祝いの席には縁起の良い花を選ぶなどです。
NGやルールはありませんが、TPOに合わせて生けることが大切です。
生花や立花には決まりがある
池坊の生け花には「立花(りっか)」「生花(しょうか)」「自由花(じゆうか)」の3つのスタイルがあります。
立花(りっか)、生花(しょうか)では使用する花や組み合わせに決まりがある場合がありますが、自由花には決まりはありません。
使う花を自由に選んでみましょう!
生け花で使う花はどこで買う?
花を買う場所は、近所のお花屋さんやスーパーマーケット、ホームセンターでOKです。
季節ごとに旬の花が並ぶので、気になったものを手にとってみましょう!
また、いただきものの花束などを生け花に使ってみても良いですね。
春夏秋冬で楽しみ方が変わる!季節別の生け花で使う花
生け花ではその季節の花を使うのも作品を作る楽しみの1つです。
旬の花を知っていれば、作品に季節感が出て表現力もUPしますね。
春の生け花に使いたい花
桜、チューリップ、バラなどなど、春はたくさんの花が出回る季節でもあり、使う花を選ぶにも迷ってしまう人も多いです。
春は、生け花で使われるカキツバタなどのアヤメ科の花も美しい季節です。柔らかな花の形とスッキリとした葉のフォルムが美しく、この季節にぜひ使いたいお花です。5月くらいから花屋さんに出回りますよ。
「いずれアヤメかカキツバタ」と言われるように、アヤメ、ハナショウブ、カキツバタ、アイリスは、よく似ていて最初は区別が難しいかもしれませんが、生けるようになると、それぞれの特徴が分かるようになって、だんだんと見分けがつくようになりますよ。
見分けられるようになると、お花に詳しくなったような気がして、お花を生ける楽しさもよりアップしますね。
夏の生け花に使いたい花
夏は、梅雨のアジサイ、盛夏に咲くヒマワリ、蓮の花など、雨や暑さなど厳しい季節だからこそ、印象の強い花が多い季節です。
切り花にも夏の暑さに負けない草花が売られています。グラジオラスやトルコキキョウ、アンスリウムは華やかで生け花にももってこいです。
ナデシコは、秋の花のイメージを持つ人も多いかもしれませんが、春から夏にかけて咲きます。大和撫子という言葉もある通り、日本人にとって思い入れのある花の1つではないでしょうか。
決して大きくはない花を楚々と咲かせ、しなやかに風に揺れる佇まいは、生け花に慎ましやかな美しさをプラスしてくれます。
夏の日差しの中で、大きく元気に咲く花と小さくおとなしく咲く花、それぞれの個性を活かして生けると、より魅力的な作品に仕上がりますよ。
秋の生け花に使いたい花
秋の花は、コスモスやススキ、ワレモコウなど、春や夏の明るい印象の草花とは違った、少し寂し気な雰囲気が魅力です。落ち着いた色味のお花も多いですね。
この季節に使う花と言えば、やっぱり菊がおすすめです。
菊は仏花やご葬儀でも使用されることもあり、少し地味な印象もありますが、五節句の1つ、9月9日の「重陽の節句」は菊の節句です。江戸時代には菊ブームが起こったり、古くから日本で愛されてきた花でもあるんですよ。
最近はピンポンマムなど丸く可愛らしい形の菊や、色とりどりのスプレーマムも人気です。ぜひ挑戦してみてください。
冬の生け花に使いたい花
冬はお花が少ない季節。寒椿が生け垣やお庭にあると、寒さ厳しい季節を彩ってくれますね。
クリスマスのポインセチアやヒイラギ、お正月の葉牡丹や千両、南天など、縁起物のお花を生けるのも、この時期ならではの楽しさですね。
冬に生けたいお花は、やはり梅です。梅は寒さがまだ厳しい季節に、どの花よりも先だって咲くことから「百花の魁(ひゃっかのさきがけ)」と言われます。
梅の枝をお部屋に生けて、蕾が徐々に開いていく様子を眺めて楽しむのも生け花の醍醐味です。待ち遠しい春を、ひと足先に楽しんでみませんか。
季節の花で生け花を楽しもう
今回は生け花で使う花を季節ごとにご紹介しました。
生け花ではどんな花を選んでみても大丈夫です。
お気に入りの花や、花屋さんで一目惚れした花など好みのものを選んでみましょう。
迷ったときには、季節の花を使ってみてくださいね。