2022.03.15
日本の伝統文化の一つでもある着物。
現代ではお祝い事の日に着用する人が多く、着物を着ると晴れやかな気持ちになりますが、注意したいのが所作です。
単に着物を着るだけではなく、着物に似合う立ち居振る舞いをすることでより美しく見えます。
今回は着物を着るときに注意したい所作をご紹介致します。
着物を着る機会が少ない人こそ、着物流の所作を覚えておくと、美しい立ち居振る舞いができますよ。
普段から着物を着るという方は、ご自身の姿を思い返しながら基本をおさらいしてくださいね。
着物姿で美しく過ごす所作を身につけよう
着物と洋服で大きく差がでるのが、袖と足元です。
着物は袖口の下部の「袂(たもと)」が長いため、袂の長さに対応できる所作をする必要があります。
また、足元まで長さがある着物では足を大きく開くことができません。
普段と同じ動きをすると着物が着崩れたり転倒の原因になる可能性もあるので、安全そして美しさのためにもしっかりと所作を覚えておきましょう。
着物の所作が美しくなる基本の動作
まずは基本的な動作から見ていきましょう。
立ち方
着物の所作として最も意識したいのが立ち方です。
着物を着たときには、背筋をピンと伸ばして立つことを意識しましょう。
頭の先に糸がついていて、上から引っ張られているようなイメージを持つと自然に背筋が伸びますよ。
着物で立つときには、手を組んだり後ろに回すのではなく、体の前で重ねましょう。
歩き方
着物で歩くときには普段よりも小股を意識します。
無理に大股で歩こうとすると着物が引っかかって転倒してしまう可能性がありますので注意が必要です。
着物には草履やブーツを合わせますが引きずったり、足音が大きく出るのがマナー違反。
小股で足をまっすぐ出して歩きましょう。
階段や段差の上がり下り
段差がある場合には、着物の右前を軽く持ち上げながら歩きましょう。
腰を少し落とすようにすると動きやすいですよ。
着物で段差を上がり下りするときには、足首があまり見えないように意識すると美しい所作になります。
椅子に座るとき
右前をつまんで裾を軽く上げてから腰を下ろしましょう。
椅子の背もたれで帯が潰れてしまわないよう、浅めに座ります。
このときも背筋は伸ばしていると美しく見えますよ。
タクシーに乗り込むときや、電車やバスで座るときも同じように、裾を上げて浅めに座りましょう。
より美しく見える!シーン別に覚えておきたい着物の所作
次に、シーン別に覚えておきたい着物の所作をご紹介します。
食事の所作
着物姿で食事をするときには、特に袖に注意が必要です。
グラスを取る、調味料を取る、取り分けるなどのシーンで、袖が料理やお皿の中に入ってしまう可能性があります。
手を動かすときには必ず袖をおさえましょう。
また、食べこぼしや飲みこぼしで着物が汚れてしまうのを防ぐために、机とご自身の距離は普段よりも詰めておきましょう。
ナプキンやハンカチを膝の上に広げておくと、もしものときにすぐに対応できます。
和室で過ごすときの所作
着物姿では和室で過ごす機会もありますよね。
例えば畳の上に正座するときには、右足を後ろに引いてから右手で上前を引き上げて、左手で太もものあたりを押さえながら腰を落とします。
ゆっくりと足を動かして上前を持ち上げることで、座ったときに着物が引っ張られることがなく、美しい所作で座ることができます。
ものを取る・拾うときの所作
足元にものを落としたときに、着物姿で屈んで拾う場合には注意が必要です。
洋服ではさっと屈んで拾うことができますが、着物の場合はそうはいきません。
落としたものを拾うときには、屈む前に右前を引き上げておくと、引っ掛かりがなく動くことができます。
所作を覚えて美しい立ち居振る舞いを
今回は着物姿での立ち居振る舞いについてご紹介しました。
洋服より動き辛いと感じてしまう人も多いかもしれませんが、所作を意識することでより美しい姿で過ごすことができます。
着物で過ごすときには意識してみましょう。