2025.11.28
お正月に生け花(いけばな)を飾って、華やかな新年を迎えませんか?
このページでは、はじめての方にもわかりやすく
- いつからいつまで飾る?(避けたほうがよい日も)
- 飾る場所のアイデア(玄関・床の間・リビング)
- お正月におすすめの花材と花器
- 簡単にできる生け方のポイント
- 花材の買い方・選び方
- よくある質問(長持ちのコツ/片付けのタイミング)
をまとめました。ご家族と一緒に、伝統のいけばなを暮らしのなかで楽しみましょう。

お正月の生け花はいつからいつまで飾る?
一般的な目安
- 飾り始め:12月25日頃〜(クリスマス後からお正月用花材が店頭に並びます)
- ベストな完成タイミング:1月1日(元日)に飾ってあるのが理想
- 片付け:三が日後/松の内の終わり/成人の日の後など、地域の習わしによって異なります
※「松の内」は関東では1月7日頃、関西では1月15日頃までとされることが多い地域差があります。
避けたほうが良い日
- 12月29日:「9(苦)」に通じるとして避ける方が多い
- 12月31日:一夜飾りになるため避けるのが一般的
お正月に生け花をする場合は余裕を持って準備をするのがおすすめです。
どこに飾る?お正月の生け花の飾り場所
来客がある場合
- 玄関:家の顔となる場所。明るい印象に
- 和室の床の間:伝統的な場に季節感を
家族でゆっくり過ごす場合
- リビング:視界に入りやすく華やかな雰囲気に
- ダイニング:食卓の近くに小ぶりの花器で上品に
ルールに縛られすぎず、ご家族の目に届きやすい場所・気持ちよく元旦を迎えられる場所に飾りましょう。

お正月におすすめの花材
お正月の生け花は、季節に合う草花や縁起物を取り入れてみましょう。
- 松:お正月らしさを象徴する主役花材。主枝としても添えとしても活躍
- 葉牡丹:重ねた葉が縁起の良い印象。ボリューム感を出しやすい
- 千両:赤い実が華やかでおめでたい
- 南天:難(災い)を転じるとされる縁起物。赤い実が映える
- 梅:気品のある早春の香り。枝が趣をつくる
- 菊:清らかさと格式のある花。邪気を払うとも
- ラン:凛とした佇まいに高級感漂う
- 水仙:清々しい香りと細身のラインが美しい など
装飾小物(必要に応じて)
- 水引・金銀の紙飾り・扇など、お正月らしい差し色を少量加えるのも雰囲気が出ます。あくまで生け花の主役は「花材」なので、飾り過ぎないのがコツです。

花器選びとスタイリングのコツ
花器:
- ボリュームのある花材が多いので、シンプルな器でも十分華やか
- お正月らしさを出すなら、金・銀・漆風の器も◎
剣山(けんざん):お花の固定と角度調整に便利
剣山がない場合:
- 器の形を活かして花を留める
- 花材の枝などで支える
- 輪ゴムなどで束ねてから器に入れる
- 器の中にワイヤーを入れたり、底に小石を入れて支点を作る など、身近な工夫でも楽しめます
初心者でも簡単!お正月の生け方(基本ステップ)
- 主役を決める:まずは松を主役に。飾る場所の正面と高さを意識して入れる
- 赤色の花材を足す:千両や南天を加えて華やかに
- アクセントを追加:菊・葉牡丹・水仙・ランなどで華やかさや清らかさをプラス
- 長短のリズム:長・中・短をつくり、余白(間)を残して生け花らしく
- 正面を整える:正面から見て全体のバランスが心地よいかチェック
- 仕上げ:水面や器のふちも美しく見えるように整え、必要なら小物を添える

花材はどこで買う?選び方のポイント
購入先:
- お花屋さん:相談しながら必要な花材を選べます
- スーパーの生花コーナー:年末は「お正月セット」が手軽で便利
選び方:
- 葉や花がみずみずしいもの(乾燥や傷みがない)
- 枝元がしっかりしているもの
- 水揚げ後に長持ちしやすい花材を中心に

自由に生け花を楽しみましょう!
難しく考えなくても大丈夫。
ご家族や、お迎えする方が晴れやかな気持ちになれるように—それが生け花の心です。器や剣山がなくても、身近な工夫で十分楽しめます。
月刊誌『ざ・いけのぼう』1月号には、お正月のいけばなのアイデア集が特集されています。作品づくりのご参考にお薦めです。
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よくある質問(FAQ)
Q1. お正月の生け花はいつ片付ければいい?
A. 三が日が終わった頃/松の内の終わり(関東は1/7頃・関西は1/15頃)/成人の日の後など、地域の習慣などに合わせて。花材の状態を見て、傷みが出る前に感謝して片付けるのがおすすめです。
Q2. 12/29・12/31はなぜ飾らないの?
A. 29日は「苦」に通じる、31日は一夜飾りとされるため、避ける方が多いとされる習わしです。その日に絶対飾ってはいけないということではありませんが、準備は余裕を持って行いましょう。
Q3. 花を長持ちさせるコツは?
A. 毎日水を替える、茎の切り口を1〜2cmほど切り戻す、涼しい場所で直射日光を避ける、器を清潔に保つ。草花は茎のぬめりを洗い流すと良いです。
Q4. 花器や剣山がなくてもできる?
A. はい。口の狭い花瓶や花材同士で支え合わせたり、輪ゴムで束ねてから器に入れる、小石で角度を調整するなど、身近なもので楽しめます。
